天下一浮かれの日本史(室町時代)
2011-09-06


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父:おい、あいつ、どこいった?
店長:あいつて、作嗣さんですか?
父:せや。
店長:朝出て行ったきりで、まだ帰ってきてません。
父:"なに? もう大概、陽も傾いてきたで。いや、分かっとる。またライブハウスに行っとるんやろ。ヒップホップとやらにいれこんどるが、あんな好きな奴はおらんな。うちも若いもん相手の衣料販売を代々やっとるんや、お客さんと話があわんではいかんよってに、行くなとは言わんわい。行くなとは言わんが、ありゃ行きすぎや。こないだも、あんまり見かねたんで、「これ、お前えらい精が出るが、いったい月にどのくらいかようとるんや」と訊いてやったら、あいつ、なんて言うたと思う? 「月に三日は休んでます」とこないぬかしよった。ミュージシャンよりよけ出入りしとんねんで。  あいつもまだ学校に行ってるんやから、普段の日にまで無理して仕事を手伝えとは言わんわい。まずは勉強してもらはななんよってに。しかしあいつは帰ってきて教科書ひとつ開いたことがない。それに、今日は日曜やで。日曜日くらいは手伝うて仕事を覚えても罰は当たらんのとちゃくか、え。女房が死んでから、男手一つで育ててきたが、それもこれもあいつにいずれは店を任せたいからや。お前さんはほんまにようやってくれとる。あいつにあんたの十分の一でも、気がありゃあ、それでええんやがなあ。わしゃ、あいつが帰って来たら、奥でちょと話をさしてもらう。お前さんは、店の方頼むわ。え、分かってる分かってる。頭ごなしにはいかんわい。 なんや、表の方が騒がしいが。なに? 作嗣が、なにやら飛び跳ねて歌いながら帰ってくる? "
作嗣:あぁ、ウナギ屋か、ええニオイやなぁ。♪身体(からだ)焦がすよ、真夏の太陽。お腹すいたよ、ウナギ食べたいよう。♪
父:道々やってくさる。これ、作嗣!
作嗣:あぁ、親父、ただいま。
父:ただいまやないで。ちょっと、奥へこい。さぁ、そこへ座れ。えぇ、今まで、どこにいっとたんや。どこにいっとったと訊いてんねや!
作嗣:♪今日も通う、器用に歌う。心震えるライブハウス、怒る親父頭毛薄。♪
父:やかましわい。おかしな節付けてと思たら、またやってくさる。お前みたいなんができたかと思うと、死んだあいつに申し訳ないわい。
作嗣:♪妻を思う、今も偲ぶ、恥ずかしい愛妻家、禿でデブで足も臭いか♪
父:お前という奴は。もう勘弁ならん!
店長:社長、あきません。作嗣さんにお店をとお考えやったら、商売人の顔に傷つけるようなことはあきません。作嗣さんには私の方からまた言うてみます。他人から言われた方が、よう身にしみるかもしれません。
父:ううーん、お前さんがそう言うんやったら、ここはおさめよ。作嗣、お前二階へ上がって、おとなししとけ。
店長:"さぁ。 作嗣さん。なんですねん、あれ。あんなん、そら社長かて怒りはりまっせ。"
作嗣:いやぁ、店長、すまなんだな。俺もあそこまでやるつもりやなかったんやけどな、帰ってくるなりガミガミやろ、つい、な。
店長:もう、そんなことはよろし。早う二階へ上がりなはれ。今は私が店長させてもろてますが、いずれは作嗣さんにやってもらいたいと、社長もそう思てはります。店を手伝えとは言いませんけど。こないだも、店に来てた同級生の女の子が噂してましたで。
作嗣:ええ、女の子が? どんな噂や。
店長:見かけは結構いけてるけどぉ、もうちょっとで落第らしいってぇ。そんなのパスよねぇ。
作嗣:気持ち悪いな、真似せんでええねん。しかし、もうそんな噂になってるんか。
店長:へ、もうって?
作嗣:ははは、今度歴史のテスト不合格やったら、落第や。
店長:作嗣さん
作嗣:


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